防水

ベランダ防水工事の必要性とは?どのような手順で費用はどれくらいかかる?

ベランダの防水工事は、住宅の耐久性と住環境の快適性を維持するために不可欠です。

ベランダは雨風にさらされる部分であり、防水処理が不十分だと雨漏りや構造体の劣化を引き起こす可能性があります。

今回はベランダ防水工事の必要性と、手順、おおよその費用について説明します。

ベランダ防水工事の必要性

1. 雨漏りの防止

ベランダは建物の外部に直接露出しているため、雨や雪、風などの自然環境に常にさらされています。

防水処理が不十分だと、雨水が建物内部に侵入し、雨漏りを引き起こします。

これにより、室内の壁や天井にシミや汚れが発生し、美観を損ねるだけでなく、住環境の快適性を大きく損ないます。

2. 構造体の保護

水分が建物の構造体に浸透すると、木材部分の腐食や鉄筋部分の錆びを引き起こし、建物全体の強度を低下させます。

これは建物の耐久性に直接影響を与え、最悪の場合、大規模な修繕工事や建て替えが必要になることもあります。

3. 健康リスクの低減

防水が不十分な場合、湿気がこもりやすくなり、カビの発生が促進されます。

カビはアレルギーや喘息などの健康問題を引き起こす原因となります。

4. 資産価値の維持

定期的なメンテナンスを行い、ベランダの防水性能を維持することで、住宅の資産価値を保つことができます。

特に中古住宅の売買時には、防水工事が適切に行われているかどうかが評価のポイントとなることが多いです。

ベランダ防水工事の費用相場

ベランダ防水工事の費用は、使用する材料や工法、ベランダの面積、既存の状態によって大きく異なります。

以下に一般的な工法別の費用の目安を示します。

1. ウレタン防水

ウレタン防水は、液体のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法で、最も一般的です。

施工が比較的簡単で、コストパフォーマンスが良いのが特徴です。

費用は1㎡あたり4,000円〜程度が目安です。

2. シート防水

シート防水は、ポリ塩化ビニル(PVC)やゴムシートを使用する工法で、耐久性が高いのが特徴ですが、施工がやや難しく、費用も高めです。

1㎡あたり5,000円〜程度が一般的です。

3. FRP防水

FRP防水は、繊維強化プラスチックを使用する工法で、耐久性と耐水性に優れていますが、施工には専門技術が必要です。

費用は1㎡あたり7,000円〜程度です。

4. アスファルト防水

アスファルト防水は、耐久性が高いものの、施工が複雑で費用も高くなりがちです。

1㎡あたり6,000円〜程度が目安です。

5. その他費用

なお防水工事には、以下のような追加費用が発生することもあります。

《既存防水層の撤去費用》
古い防水層を撤去するための費用がかかる場合があります。
これは1㎡あたり1,000円〜3,000円程度です。

《下地処理費用》
下地の補修や平滑化が必要な場合、その費用が追加されます。
これも1㎡あたり1,000円〜3,000円程度が一般的です。

《トップコート費用》
防水層の保護と美観のためにトップコートを施す場合、その費用も追加されます。
これは1㎡あたり1,000円〜2,000円程度です。

ベランダ防水工事の手順

1. 現地調査と診断

まず、専門の業者が現地調査を行い、ベランダの状態や既存の防水層の劣化具合を診断し、予算や希望する耐久年数なども考慮しながら、最適な工法や使用材料を決定します。

2. 既存防水層の撤去

古い防水層や劣化した部分を取り除きます。

既存の防水層を撤去することで、新しい防水層の密着性が高まり、効果的な防水が可能となります。

3. 下地処理

新しい防水層を施行する前に、下地の状態を整えます。

下地が不適切だと、防水層がうまく密着せず、効果が減少するため、非常に重要な工程です。

4. 防水層の施工

選定した工法に従い、防水層を施工します。

【ウレタン防水の場合】
液状のウレタンを複数回塗布し、乾燥・硬化させて防水層を形成します。
層の厚みを確保するため、通常は2〜3回の塗布を行います。

【シート防水の場合】
防水シートを敷き詰め、接合部を溶着や接着剤で密着させます。
シートの重ね合わせ部分をしっかりと固定することで、継ぎ目からの水の侵入を防ぎます。

【FRP防水の場合】
ガラス繊維マットを樹脂で固めて防水層を作成します。
非常に耐久性が高く、摩耗にも強いのが特徴です。

5. 仕上げ作業

防水層の施工が完了したら、仕上げ作業としてトップコートの塗布や保護層の設置を行います。

これにより、防水層の耐久性がさらに向上し、紫外線や摩耗から保護します。

6. 点検と引き渡し

最後に、施工完了後の点検を行い、問題がないことを確認した上で引き渡します。

必要に応じて保証書が発行されることもあり、保証期間中に問題が発生した場合は、無償での修繕が行われることが多いです。

ベランダ防水工事 まとめ

ベランダ防水工事は、戸建て住宅の維持管理において非常に重要です。

適切な防水工事を行うことで、雨漏りの防止や建物の構造保護、快適な生活環境の維持が可能となります。

防水工事が完了した後も定期点検を行い、早期に異常を発見することで、大きな修繕費用を防ぐことができます。

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この記事を書いた人

ヤブ原産業 工事営業部 

ヤブ原産業株式会社 工事営業部 一級施工管理技士 本社のある川口市を中心に、関東のアパート、マンション、一戸建てオーナー様の為に改修・修繕・補修工事に汗を流しています。